合成皮革（フェイクレザー）とは

天然皮革の対の言葉として使われるものに「合成皮革」があります。合成皮革とは、フェイクレザー（模造皮革）とも呼ばれるもので、生地に合成樹脂をコーティングしたものを指します。
合成皮革は天然皮革のように1つひとつに個体差が生じることなく、画一的に生産することが可能です。天然皮革よりもコストを抑えられて、大量につくることができるので、リーズナブルな靴やバッグ、洋服などの製品に多く用いられています。
一般的に、フェイクレザーはポリウレタンという素材が原料としてよく使われているようです。ポリウレタンは化学物質を結合させることで生まれる化合物の総称で、伸縮性があるなどの特徴があります。
フェイクレザーは、軽くて汚れに強いなどの強みがある一方で、決定的な弱点があります。それは"経年劣化"するということ。経年劣化とは文字通り、時間の経過によって劣化する現象を指します。使わなくても経年劣化は起こります。 その原因は紫外線や熱によって少しずつ分解されるというポリウレタンの特性にあり、通常、フェイクレザー製品の寿命は2〜3年程度と言われています。ここが、長く使えば使うほど味が出る天然皮革との大きな違いです。

メリット、デメリットを紹介

ただ、「合成皮革（フェイクレザー）だから悪い」ということではありません。ここでは天然皮革とフェイクレザーのメリット、デメリットを一覧にしてみます。それぞれにどのような特徴があるのか、一目でおわかりいただけると思います。
天然皮革とフェイクレザーにはこのような違いがあるので、たとえば、外で遊ぶことが大好きな子どもにはリーズナブルで汚れに強い合成皮革の製品を使うなど、対象やシーンによって、天然皮革と合成皮革の製品を使い分けることをおすすめします。

フェイクレザーの簡単お手入れ方法とは？

最後に、フェイクレザーのお手入れ方法を紹介します。
フェイクレザーの製品は大きく分けて、「水洗いができるもの」「水洗いがNGなもの」に分かれます。それを知らずに、NGなものを水洗いしまうと、使えなくなってしまうので注意しましょう。
そこでまずは製品のタグを確認します。水洗いOKの場合は、少しの汚れならば濡らしたタオルで拭いた後に陰干しすれば十分です。強固な汚れの場合は、中性洗剤を使用して、洗濯機のドライコースで洗うこともできます。洗い終わったら、同様に陰干しをしましょう。
水洗いがNGな場合は、中性洗剤を水に溶かし、布に含ませた後に強く絞ってから丁寧に汚れ部分を拭きます。その後は、水だけで濡らした布を同様に強く絞り、洗剤成分が残らないように拭きましょう。最後に、渇いた布で拭き、陰干しをします。
ただ、繰り返しになりますが、どんなに丁寧に手入れをしてもフェイクレザーは経年劣化するものなので、「寿命がある」ということを覚えておいてくださいね。