細部にまでこだわり抜く、仕事の行き届いた財布

株式会社山万は皮革製品の製造をおこなっている企業だ。日本製の良質なものをつくりたいと、2003年に自社ブランドFESONを設立している。ここではその新進気鋭のブランド、FESONの魅力に迫る。


日本の職人技を活かし、高品質な財布を

東京都江戸川区に会社を構える株式会社山万は、2002年に皮革袋物の事業を開始し、財布、バッグ、カバン、文具などの皮革製品の企画・製造・販売をおこなってきた。自社でブランドを持つのではなく、他社から依頼を受けて製造をおこなう、いわゆるOEM企業だ。
山万の代表を務める山田氏は、皮革袋物製造業に携わって50年以上のキャリアを持つ職人気質の社長だ、30年前からは中国生産にも力を入れ、中国製の中でもハイクオリティーな商品を作り、クライアント企業の要望に応えてきた。
中国の生産技術にももちろん光るものはあるが、それにもまして日本には優れた技を有する職人がいる。その技術を結集させ、上質な財布をつくりたい。そんな思いがふつふつと込み上げ、2003年に立ち上げたのが、山万初の自社ブランドとなるFESONだ。


ディテールにこだわる、職人の熱き想い

FESONが財布をつくる際に注ぎ込んでいる技術は、パッと見ではわからない。しかし、山田氏に話を伺うと、そのこだわりは細部にまで及んでいることがわかる。
たとえばコバ塗り。何枚もの革をノリで接着したキレイなコバの断面を見せようと、FESONでは染料を使う技法を採用している。裁断も製品が形になってからおこなう。その作業により裁断面にノリがはみ出すことなく染料を乗せられ、キレイなコバに仕上げられる。
一般的にコバは色のある顔料を使って仕上げることが多い。そうすれば、裁断面にノリがはみ出したとしても、問題なく仕上げられる。しかも、手間が省けるというメリットもある。ただし色のある顔料のコバ液だと、いくつもの層に重なったコバの美しさは隠れてしまう。またコバ液を使用して、コバ面を磨く技術も珍しい特徴である。

染料で仕上げたコバ

※上が裁ち落した断面、下がコバ処理後


また縫製においても、確固たるこだわりが。FESONの財布は、縦の糸と横の糸の間にわずかな隙間を残す。
通常は縦の糸と横の糸は重ねることが多い。しかし、あえて数ミリの隙間を取ることで、ミシンのピッチを変えることなく作業ができ、またミシン目がコバ面に来てしまったり、縦の糸に横の糸がはみ出したりしてしまうのを防ぐことができる。商品によっては重なってしまう場合もあるが、FESONのほとんどの商品は縦と横の糸の間に隙間を残し、見た目の美しさを演出している。
そのほかにも、さまざまなこだわりが詰まったFESONの財布。職人の技が凝縮された逸品は、持つ者に優越感をもたらすだろう。

染料で仕上げたコバ

※左上の隅、縦糸と横糸の間にわずかな隙間を残すFESONのこだわり



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